カバー写真 (装幀=工藤強勝)

内容一覧

序 メディア・プラクティスとは何か 水越伸・吉見俊哉
1 メディア・プラクティスの地平 水越伸

  T ラディカルなメディア遊びの可能性
2 「本づくり」から「名刺パンフレット」まで――メディア・実践・存在論、あるいは可能的様態の発現について 長谷川一
3 メディアアート《連画》への招待 安斎利洋・中村理恵子
4 メディア アート コミュニケーション――北欧と日本、メディアの夢 アスケ・ダム/小川明子訳・解題

  U メディア・リテラシーと社会の回路
5 カナダにおけるメディア・リテラシーのデザイン バリー・ダンカン/坂田邦子訳・解題
6 媒体素養の誕生――台湾におけるメディア教育の展開 呉翠珍・劉雪雁
7 松本サリン事件と高校放送部――送り手と受け手の対立と対話 林直哉
8 メルプロジェクトのパースペクティブ――メディア表現、学びとリテラシー 水越伸・山内祐平

  V オルタナティブなメディア表現と社会実践
9 デジタル時代と新たなジャーナリズムの創出 野中章弘
10 メディアとサバルタン――インドネシアのメディア実践 坂田邦子
11 「小さなマスメディア」のおもしろさとむずかしさ――ドイツ日刊紙『タッツ』というメディア 林香里
12 インターネットとNPOのエンパワー――JCAFEの軌跡と未来 対談=浜田忠久・吉見俊哉
13 愛知万博問題からメディアを問う――市民参加型社会は始まっているのか 往復書簡=吉見俊哉・松浦さと子

  参考資料(関連ウェブサイト)


執筆者紹介

水越伸(みずこし しん)=1963年止まれ。東京大学大学院情報学環助教授。歴史と実践をよりあわせながら本書でいうメディア・プラクティスの地平を開拓したいと考え、メルプロジェクト、コミュニティ・パブリッシングなどを展開中。

吉見俊哉(よしみ しゅんや)=1957年生まれ。東京大学社会情報研究所教授。社会学・文化研究専攻。大衆文化研究を基礎に、最近は国民祭典やアメリカ化・消費社会化の文化史的分析、カルチュラル・スタディーズの探求に取り組んでいる。

長谷川一(はせがわ はじめ)=1966年生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程。出版=pubIishingをpublicの構成論として再編するための理論と実践を模索している。著書『出版と知のメディア論』(みすず書房)ほか。

安斎利洋(あんざい としひろ)=1956年生まれ。アーティスト、コンピュータ・ソフトウェア・デザイナー。連画、カンブリアン・ガーデンなど、作動し続けるシステムとしての創作装置を考えることと作ることに一貫した関心をもっている。

中村理恵子(なかむら りえこ)=1958年生まれ。「連画」から、最新の「カンブリアン・ゲーム」まで、コラボレーテッドアートに取りくむ。仕事場では、100号のキャンバスに描かれる日常の記憶とデジタル情報が同じ重みで浮遊している。

アスケ・ダム(Aske Dam)=1941年、デンマーク生まれ。テリトリーも国境も軽々と越えて、メディア、アートに関するあらゆるフィールドを自在に往き来するメディア・アーティスト/メディア・プロデューサー。現ノルウェー在住。

小川明子(おがわ あきこ)=1972年生まれ。愛知淑徳大学現代社会学部専任講師。ローカル・メディア研究。現在は地域間コミュニケーションとメディアの関係性について、放送メディアを中心に分析している。

バリー・ダンカン(Barry Duncan)=オンタリオ州のメディア・リテラシー協会の創始者および元会長。1970年代頃からメディア教育の推進に携わってきた。著書に『Mass Media and Popular Culture』。

坂田邦子(さかた くにこ)=1970年生まれ。東京大学社会情報研究所助手。専門はメディア・コミュニケーション論で、アジアにおけるメディア文化と市民によるメディア実践、開発途上国におけるメディアに関する研究を行っている。

呉 翠珍(Sophia Wu)=台湾政治大学放送学部副教授、同大学コミュニケーション学院媒体素養研究室代表。専門分野:子どもとメディア、メディア・リテラシー教育、視聴者研究。教育文化番組のデザインと審議にも関わっている。

劉 雪雁(Liu Xueyan)=東京大学大学院情報学環助手。中国大陸、台湾、香港におけるメディアの発展とその社会的、文化的関連、華人ネットワークとメディアのグローバル化について実証研究を進めている。

林 直哉(はやし なおや)=1957年生まれ。長野県高校教諭。長年、自主活動の基盤として高校放送部の指導に力を入れてきた。情報の送り手と受け手の新たな関係を目指したメディア・リテラシー活動とメディア実践を展開している。

山内祐平(やまうち ゆうへい)=1967年生まれ。東京大学大学院情報学環助教授。教育工学、学習環境デザインを専攻。情報社会の新しい学びのかたちを求めてさまざまな実践プロジェクトに従事。著書に『デジタル社会のリテラシー』等。

野中章弘(のなか あきひろ)=1953年兵庫県出身。ジャーナリスト。アジアプレス・インターナショナル代表。アジアを中心に第三世界の問題を取材。ドキュメンタリーの制作本数は100本を超える。著書に『アジアTV革命』(三田出版会)など。

林 香里(はやし かおり)=1963年生まれ。ドイツ、バンベルク大学社会学部客員研究員。フンボルト財団フェロー。ジャーナリズムを学問的に研究することに取り組んでいる。著書に『マスメディアの周縁、ジャーナリズムの核心』。

浜田忠久(はまだ ただひさ)=1959年生まれ。市民コンピュータコミュニケーション研究会(JCAFE)代表。NPO/NGOのインターネット活用支援や市民の立場からの情報社会への提言活動を行う。共著に『インターネットと市民』等。

松浦さと子(まつうら さとこ)=1960年生まれ。龍谷大学経済学部助教授、社会学専攻。とくに新しい社会運動の分野でメディアを用いた市民の活動や表現、一次情報の共有に関心を持っている。編著に『そして、干潟は残った』。



関連書

メディア・スタディーズ』(吉見俊哉編)

メディア文化の権力作用』(伊藤守編)

なぜメディア研究か』(ロジャー・シルバーストーン著)