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内容一覧

序 語り継ぐとは 桜井 厚

I 歴史的出来事の体験
 01 ミニドカを語り継ぐ――日系アメリカ人のインターンメント経験とジェネラティヴィティ 小林多寿子
 02 原爆の記憶を継承する――長崎における「語り部」運動から 高山 真
 03 ある医師にとっての「薬害HIV」――「弱み」を「語り」「聞き取る」 南山浩二
 04 「薬害HIV」問題のマスター・ナラティブとユニークな物語 山田富秋
   コラム 戦争の実相を語り継ごうとする者たち――戦場体験放映保存の会の試み 八木良広
   コラム 〈沖縄戦〉を語り継ぐ――平和ガイドという試み 齋藤雅哉
II 苦悩と危機の人生経験
 05 「生活者」としての経験の力――国立ハンセン病療養所における日常的実践とその記憶 有薗真代
 06 記憶の保存としてのハンセン病資料館――存在証明の場から歴史検証の場へ 青山陽子
 07 死の臨床における世代継承性の問題――ある在宅がん患者のライフストーリー 田代志門
 08 日常生活を導くナラティブ・コミュニティのルール――顔にあざのある娘を持つ母親のストーリー 西倉実季
 09 居場所をめぐる父親たちの苦悩と自己変容――不登校の子どもの親の会から 加藤敦也
   コラム マンハイムの世代論と「語り継ぐこと」 片桐雅隆

III マイノリティ当事者/非当事者の経験
 10 アイヌの若者たちの語りに接して――聴き手の衝撃と認識の変化 仲 真人
 11 被差別を語り継ぐ困難――「部落」というカテゴリーの変容 桜井 厚
   コラム ウェブサイト「川崎在日コリアン生活文化資料館」 橋本みゆき

 あとがき 山田富秋・藤井 泰


著者紹介


桜井 厚(さくらい あつし)
立教大学社会学部教授。ライフヒストリー/ライフストーリー研究。著書に『インタビューの社会学』『境界文化のライフストーリー』(いずれもせりか書房)

山田富秋(やまだ とみあき)
松山大学人文学部教授。エスノメソドロジー、ライフストーリーの社会学。差別や苦悩の経験へどうやってアプローチするのか探求している。著書に『日常性批判』(せりか書房)

藤井 泰(ふじい やすし)
松山大学経営学部教授。教育学、とくに比較教育学、教育史を専攻。グッドソンの翻訳『ライフヒストリーの教育学』(昭和堂)がある。主要著書は『イギリス中等教育制度史研究』である。

小林多寿子(こばやし たずこ)
日本女子大学人間社会学部教授。専攻は社会学、ライフストーリー論。自己の経験と表現の関係を研究テーマとしている。著書に『物語られる「人生」――自分史を書くということ』(学陽書房)

高山 真(たかやま まこと)
慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程、日本学術振興会特別研究員。専攻は社会学。原爆被災者へのインタビュー調査を手がかりとし、「長崎」の記憶を描き出すことに取り組んでいる。

南山浩二(みなみやま こうじ)
静岡大学人文学部教授。家族社会学、福祉社会学、「病い」のナラティブ。著書『精神障害者――家族の相互関係とストレス』(ミネルヴァ書房)、翻訳『「さよなら」のない別れ 別れのない「さよなら」――あいまいな喪失』(学文社)など。

八木良広(やぎ よしひろ)
慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程。ライフストーリー/オーラル・ヒストリー研究。現在戦後日本の原爆被害に関する出来事の歴史を、人びとの「経験」に基づいて描き出すことに取り組んでいる。

齋藤雅哉(さいとう まさや)
立教大学大学院社会学研究科博士課程。専門は社会学。〈沖縄〉で生きる高齢者の生活史が、どのように次世代へ継承される/されないのかに関心がある。

有薗真代(ありぞの まさよ)
京都大学文学研究科博士課程。専門は社会学、文化人類学。現在は、ハンセン病療養所での集団的な活動(当事者運動やサークル活動)に関する研究を進めている。また福岡市史編纂委員として、福岡の女性史・運動史に関する研究も行っている。

青山陽子(あおやま ようこ)
東京大学大学院医学系研究科健康社会学専攻客員研究員。医療社会学・福祉社会学。精神障害者、ハンセン病元患者、薬害HIV当事者などスティグマをもつ病いと社会との関係について研究。

田代志門(たしろ しもん)
日本学術振興会特別研究員PD。医療社会学、生命倫理学。共著に『日米の医療――制度と倫理』(大阪大学出版会)、『高齢社会を生きる――老いる人/看取るシステム』(東信堂)など。

西倉実季(にしくら みき)
東京大学大学院経済学研究科特任研究員。ライフストーリー研究、外見の社会学。顔に疾患・外傷をもつ人々が直面している社会的困難と、彼/彼女らによるそうした困難への対処方法を研究テーマとしている。

加藤敦也(かとう あつや)
武蔵大学社会学部非常勤講師。不登校の子どもの親の会に参加する父親の語りから、親密圏の課題を検討している。共著に『歴史知の想像力――通時的・共時的に他者とどう関わるか』(理想社)。

片桐雅隆(かたぎり まさたか)
千葉大学文学部教授。社会学理論、自己論、現代社会論専攻。著書に『自己と「語り」の社会学』、『過去と記憶の社会学』、『認知社会学の構想』(いずれも世界思想社)などがある。

仲 真人(なか まさと)
聖路加看護大学非常勤講師。福祉NPO法人「市民サポートなかま」スタッフ。専攻は社会学。現在、難病患者のライフストーリーから、慢性の病いの社会的意味を研究中。

橋本みゆき(はしもと みゆき)
立教大学ほか兼任講師。川崎在日コリアン生活文化資料館運営スタッフ、メルマガ管理人。専攻は社会学。家族や世代、親密圏をキーワードに、在日韓国・朝鮮人のエスニシティについて研究。


関連書

インタビューの社会学』(桜井厚著)

境界文化のライフストーリー』(桜井厚著)

アクティヴ・インタビュー』(J・ホルスタイン/J・グブリアム著)