カバー写真 (装幀=木下弥)

内容一覧

序章 映像と宗教 編者一同

第一部 宗教とメディアの現在

  第一章 中東イスラーム主義運動の映像戦略
    ――イラクとパレスチナを中心に  高岡豊・横田貴之
  第二章 東南アジアにおけるイスラーム主義武装闘争派の映像戦略
     ――インドネシアを中心に  見市建
  第三章  〈証し〉と〈開示〉
    ――聖地ルルドの映像化にみる「苦しむ人々」の伝え方   寺戸淳子
  第四章 リアリティ、真正性、リテラシー
    ――映像と聖なるもの   葛西賢太

 映像実践1 信仰を撮る
仏教実践のフィールドワークの現場から(小島敬裕)/葬儀映像に見るカリスマ表現の一形態(高尾賢一郎)/『じいちゃんさま』の家――梅佳代の〈批評的〉民間信仰映像(菊地暁)/公共放送における宗教をめぐる映像実践(新田義貴)/精神文化映像社――十年の星霜(並川汎)/天理教と映像メディア活動(木村成人)

☆寄稿一
 映像を超えて
     ――内的経験を記録/再生するということ  蛭川立

 映像実践2 映像から考える
前衛芸術と映像の真実(石倉敏明)/音が変えるモノの見方――フィールドレコーディングの経験から(柳沢英輔) /〈食べる〉ことから映像学を吟味する――集権的な視覚、文字、そして映像(小田雄一)/映像撮影における方法論としての嫉妬の生かし方(和崎聖日)/民族誌の方法としてのホームビデオ(大石高典)

第二部 映像の宗教性

  第五章 霊の増殖とメディア
    ――霊媒、霊媒の映像、霊媒的な映像をめぐって  岩谷彩子
  第六章 映像の肉感学  古川優貴

  第七章 映像技法から見る宗教性
     ――パイクとヴィオラの場合  榎本香織
  第八章 映像に「ふれる」こと
    ――仮面と画面の映像人類学  新井一寛

 映像実践3 映像を活かす
   シューティングとモンタージュ(飯田卓)/ 静止画像からの想像/創造力――インタビューを活性化する写真(田邊尚子)/人類学者と映画祭(分藤大翼)/過去の記録映画から与えられたもの(内田順子)/記録映画フィルムの保存――映画保存会社の現場から(山内隆治)/プロジェクト研究におけるインタビュー撮影と映像資料アーカイブ(レナト・リベラ)/
学術映像アーカイブのために(山下俊介)

☆寄稿二
  世界/日本の映像アーカイブ事情  石原香絵

☆寄稿三
  映像人類学の理論と実践、その新たな展開の現在
――デジタル映像技術の革新と新しい世紀の映像人類学の課題  宮坂敬造

☆対談
  映像表現の最前線と宗教体験  松木靖明×蛭川立


執筆者略歴


【編者】
新井 一寛(あらい かずひろ)
埼玉県出身。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科一貫博士課程修了、博士(地域研究)。現在、関西大学非常勤講師、京都精華大学非常勤講師。共編著に『見る・撮る・魅せるアジア・アフリカ!――映像人類学の新地平』(新宿書房)。実験的民族誌映画に『同居とカメラ』。スーフィー教団研究、地域研究、宗教社会学、映像人類学。

岩谷 彩子(いわたに あやこ)
鳥取県出身。広島大学大学院社会科学研究科准教授。京都大学大学院人間・環境学研究科修了、博士(人間・環境学)。主な研究テーマは、ジプシー/ロマ、移動民社会の人類学的研究。主著に『夢とミメーシスの人類学』(明石書店)。

葛西 賢太(かさい けんた)
東京都出身。宗教情報センター研究員。東京大学大学院人文社会系研究科修了、博士(文学)。上越教育大学教官を経て、現職。『現代瞑想論』(春秋社)、『断酒が作り出す共同性』(世界思想社)、『宗教学キーワード』(有斐閣)等、現代人の宗教意識を問う仕事を重ねる。

【論文】
榎本 香織(えのもと かおる)
神奈川県出身。東京大学大学院人文社会系研究科宗教学宗教史学専攻博士課程単位取得退学。二〇〇六年に韓国国際交流財団(Korea Foundation)奨学生として留学中、メガチャーチのフィールドワークや白南準の研究を行う。主なテーマは宗教者のメディア実践。共著書に『バラエティ化する宗教』(青弓社)。

髙岡 豊(たかおか ゆたか)
新潟県出身。上智大学大学院外国語学研究科地域研究専攻修了。在シリア日本国大使館専門調査員、財団法人中東調査会客員研究員、同調査会研究員を経て、現在は、同調査会協力研究員。専門は、東地中海地域の政情分析、イスラーム主義団体の広報モニター。

寺戸 淳子(てらど じゅんこ)
東京都出身。東京大学大学院人文社会系研究科(宗教学宗教史学)博士課程修了。文学博士。現在、専修大学等非常勤講師。主著に『ルルド傷病者巡礼の世界』(知泉書館、二〇〇六年度渋沢クローデル賞本賞受賞)。専門は宗教人類学、ヨーロッパ・キリスト教文化。

古川 優貴(ふるかわ ゆたか)
東京都出身。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程(人類学)。ケニア西部リフトバレー州ナンディ県に所在する初等聾学校にてフィールドワークを実施。現在の研究トピックは、ケニアの聾学校の子供たちの日常を例にした、ダンス、音楽、おしゃべり。

見市 建 (みいち けん)
兵庫県出身。神戸大学大学院国際協力研究科博士課程修了(政治学博士)。京都大学東南アジア研究所非常勤研究員、在シンガポール日本国大使館専門調査員などを経て、現在、岩手県立大学総合政策学部准教授。主著に『インドネシア イスラーム主義のゆくえ』(平凡社)。専門はインドネシアを中心としたイスラーム政治運動。

横田 貴之(よこた たかゆき)
京都府出身。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了、博士(地域研究)。(財)日本国際問題研究所研究員を経て、現在、日本大学国際関係学部准教授。主著に『原理主義の潮流――ムスリム同胞団』(山川出版社)。中東地域研究、現代中東政治。

【寄稿・対談】
石原 香絵(いしはら かえ)
愛知県出身。L. ジェフリー・セルズニック映画保存学校卒業。学習院大学人文科学研究科博士後期課程在学中(アーカイブズ学)。NPO法人映画保存協会代表。名古屋学芸大学映像メディア学科非常勤講師。翻訳に全米映画保存基金(編)『フィルム保存入門――公文書館・図書館・博物館のための基本原則』。

蛭川 立(ひるかわ たつ)
大阪府出身。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。東京大学大学院理学系研究科博士課程単位取得退学。タイ・チェンマイのワット・ラム・プンで一時出家、アチャン・スパンに師事。現在、明治大学情報コミュニケーション学部准教授。専門はコスモロジーの人類学と意識研究の境界領域。著書に『彼岸の時間――意識の人類学』(春秋社)。

宮坂 敬造 (みやさか けいぞう)
東京都出身。東京大学大学院修了。慶應義塾大学教授。多文化社会における芸能と医療の文化人類学。ベイトソンの実験的民族誌・精神生態学研究。近年は、カナダの医療人類学・文化精神医学者グループと交流し、映像資料も絡んだ比較文化調査を構想中。共編著に『ユートピアの期限』(慶應義塾大学出版会)。

松木 靖明(まつき やすあき)
長野県出身。VFXスーパーバイザー。NHKエンタープライズCGルームのディレクターを経て、株式会社アイデンティファイ設立。CGIアートディレクションを務めた映画『白痴』が、一九九九年ヴェネチア国際映画祭で、FUTURE FILM FESTIVAL DIGITAL AWARD VENEZIA 1999を受賞。

【コラム】
飯田 卓(いいだ たく)
国立民族学博物館准教授。専門は視覚コミュニケーションの人類学、生態人類学。

石倉 敏明(いしくら としあき)
多摩美術大学芸術人類学研究所助手。専門は芸術人類学・比較神話研究。1997年より東部ヒマラヤを調査。

内田 順子(うちだ じゅんこ)
国立歴史民俗博物館研究部准教授。文化伝承の観点から民俗音楽や記録映画を研究。

大石 高典(おおいし たかのり)
京都大学こころの未来研究センター特定研究員。専門分野は、アフリカ熱帯林の人類学。

小田 雄一(おだ ゆういち)
京都大学大学院農学研究科博士課程・日本学術振興会特別研究員。専門は食育の比較社会学。

菊地 暁(きくち あきら)
京都大学人文科学研究所助教。専門は民俗学。日本における民俗誌表象の成立と展開を包括的に研究中。

木村 成人(きむら しげひと)
天理教道友社在職中、映像制作を担当。テレビ・ラジオ番組の企画制作も担当。同社音声映像課課長も務める。

小島 敬裕(こじま たかひろ)
京都大学地域研究統合情報センター研究員。専門は中国雲南省とミャンマーにおける上座仏教徒社会の研究。

高尾 賢一郎(たかお けんいちろう)
同志社大学大学院神学研究科博士後期課程。専門は現代イスラーム 世界におけるスーフィズムの変容。

田邊 尚子(たなべ なおこ)
一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程在学中。専門は社会学、社会心理学、コミュニケーション論。

並川 汎(なみかわ ひろし)
東京大学・理学部化学科卒。長年労働運動に従事。昭和電工、安田火災を経て、現在、㈱精神文化映像社社長。

新田 義貴(にった よしたか)
ユーラシアビジョン代表。NHKで第三世界を舞台にドキュメンタリーを多数制作。二〇〇九年に独立し現職。

分藤 大翼(ぶんどう だいすけ)
信州大学全学教育機構准教授。専門は応用映像人類学とアフリカ地域研究。

柳沢 英輔(やなぎさわ えいすけ)
青山学院大学総合文化政策学部・日本学術振興会特別研究員。専門は地域研究における音響・映像情報の活用。

山内 隆治(やまうち りゅうじ)
一般社団法人記録映画保存センター研究員。専門は、記録映画のアーカイビングの実践と理論。

山下 俊介(やました しゅんすけ)
京都大学大学院文学研究科修士課程修了。京都大学総合博物館研究員、京都大学研究資源アーカイブ担当。

レナト・リベラ
京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、明治大学特任講師。専門は、社会学、移民研究。

和崎 聖日(わざき せいか)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・日本学術振興会特別研究員。専門は人類学、嫉妬の研究。