カバー写真 (装幀=工藤強勝) |
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内容一覧 序文(内田隆三) Ⅰ 国家と人間の他なる回廊へ 森 政稔 社会思想史の空間論のために 中西 徹 「弱者」の戦略――市場に抗する有機農業 若松大祐 アジアの孤児と異域の孤軍――現代台湾社会の多元性を見直すために 宇野邦一 国家あるいは「曲率」 赤江達也 内村鑑三の〈ためらい〉――学校・国家・宗教をめぐって 市野川容孝 日本が文化に目覚めるとき――文化概念の知識社会学 内田隆三 乱歩と正史――敗戦の前後 Ⅱ 現代社会の反射球体を見る 金森 修 限界体験の傷口――〈原爆文学〉と原発事故 綾部広則 「科学と社会」についての覚え書 八束はじめ 「汎計画学」への遠い序論――形式主義モデルとしての経済と都市 塚原 史 「現代」の無時間性と「場ちがいな」モノたち――ボードリヤール再読 山本理奈 現代日本社会への問いとしての空き家問題――都市の居住福祉をめぐる政策と論理 佐藤健一 地方都市空間の歴史社会学――自身の家と郷土を素材に Ⅲ 社会への思考を流動化する 佐藤俊樹 一九世紀/二〇世紀の転換と社会の科学――「社会学の誕生」をめぐって 高橋順一 アドルノの社会科学論――アクセル・ホネットのアドルノ批判への反証の試み 橋本 努 自律していない者たちの社会契約――リバタリアン・パターナリズム論の射程 野上 元 市民社会の記述と市民/国民の戦争 若林幹夫 自然、文化、社会――“あるいは、社会の〈それ〉” 遠藤知巳 言語の何が問題なのか? あとがき(内田隆三) 執筆者紹介 編著者紹介 内田隆三(うちだ りゅうぞう) 1949年生まれ。東京大学名誉教授。専攻は、社会学。著書に『消費社会と権力』(岩波書店、1987年)、『社会記序』(弘文堂、1989年)、『ミシェル・フーコ――主体の系譜学』(講談社現代新書、1990年)、『柳田国男と事件の記録』(講談社選書メチエ、1995年)、『さまざまな貧と富』(岩波書店、1996年)、『テレビCMを読み解く』(講談社現代新書、1997年)、『生きられる社会』(新書館、1999年)、『探偵小説の社会学』(岩波書店、2001年)、『国土論』(筑摩書房、2002年)、『社会学を学ぶ』(ちくま新書、2005年)、『ベースボールの夢―――アメリカ人は何をはじめたのか』(岩波新書、2007年)、『ロジャー・アクロイドはなぜ殺される?――言語と運命の社会学』(岩波書店、2013年)など。 執筆者紹介 森 政稔(もり まさとし) 1959年生まれ。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻は、政治思想・社会思想。著書に、『変貌する民主主義』(ちくま新書、2008年)、『〈政治的なもの〉の遍歴と帰結――新自由主義以後の「政治理論」のために』(青土社、2014年)、論文に「民主主義を論じる文法について」(『現代思想』、1995年)、「アナーキズム的モーメント」(『現代思想』、2002年)など。 中西 徹(なかにし とおる) 1958年生まれ。現在、東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授。専攻は、開発経済論、慣習経済論、地域研究(フィリピン)。著書&論文に、『スラムの経済学』(東京大学出版会、1991年)、『アジアの大都市:マニラ』(小玉徹、新津晃一と共編、日本評論社、2001年)、「深化するコミュニティ」(高橋哲哉・山影進編『人間の安全保障』、東京大学出版会、2008年)など。 若松大祐(わかまつ だいすけ) 1977年生まれ。現在、常葉大学外国語学部グローバルコミュニケーション学科専任講師。専攻は、現代台湾地域研究、中国近現代史研究。論文に、「美国研究在亜太地区――戦後日本的国際学術交流」(『思与言:人文与社会科学雑誌』[台湾]、2007年)、「蒋介石『中国のなかのソ連』(1957)の歴史観一一台湾から米華相互防衛条約を基礎づける」(『現代台湾研究』第44号、2014年)など。 宇野邦一(うの くにいち) 1948年生まれ。立教大学名誉教授。専攻は、フランス文学・思想。著書に、『意味の果てへの旅――境界の批評』(青土社、1985年)、『反歴史論』(せりか書房、2003年/講談社学術文庫、2015年)、『破局と渦の考察』(岩波書店、2004年)、『アルトー 思考と身体』(白水社、2011年)、『ドゥルーズ 群れと結晶』(河出書房新社、2012年)、『吉本隆明 煉獄の作法』(みすず書房、2013年)など。 赤江達也(あかえ たつや) 1973年生まれ。現在、台湾国立高雄第一科技大学助理教授。専攻は、歴史社会学・宗教社会学。著書に、『「紙上の教会」と日本近代――無教会キリスト教の歴史社会学』(岩波書店、2013年)、北田暁大・野上元・水溜真由美編『カルチュラル・ポリティクス1960/1970』(分担執筆=「宗教/批判の系譜――吉本隆明・田川建三・柄谷行人」、せりか書房、2005年)など。 市野川容孝(いちのかわ やすたか) 1964年生まれ。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻は、社会学。著書に、『身体/生命』(岩波書店、2000年)、『社会』(岩波書店、2006年)、『社会学』(岩波書店、2012年)、共著に『優生学と人間社会――生命科学の世紀はどこに向かうのか』(講談社、2000年)、『難民』(岩波書店、2007年)、編著に『生命倫理とは何か』(平凡社、2002 年)など。 金森 修(かなもり おさむ) 1954年生まれ。現在、東京大学大学院教育学研究科教授。専攻は、フランス哲学、科学思想史、生命倫理学。著書に、『サイエンス・ウォーズ』(東京大学出版会、2000年/新装版2014年)、『〈生政治〉の哲学』(ミネルヴァ書房、2010年)、『科学の危機』(集英社、2015年)、『知識の政治学――〈真理の生産〉はいかにして行われるか』(せりか書房、2015年)など。 綾部広則(あやべ ひろのり) 1968年生まれ。現在、早稲田大学理工学術院教授。専攻は、科学社会学、科学技術政策論、科学技術史。論文に、「研究者の労働市場とキャリアパス」(吉岡斉編集代表『新通史一日本の科学技術 第3巻』原書房、2011年)、「民間航空政策と空港整備」(吉岡斉編集代表『新通史一日本の科学技術第1巻』原書房、2011年)など。 八束はじめ(やつか はじめ) 1948年生まれ。建築家、建築史家、建築批評家、芝浦工業大学名誉教授。著書に、『ロシア アヴァンギャルド建築』( I N A X、1993年・2015年=増補版)、「ミースという神話――ユニヴァーサル・スペースの起源」(彰国社、2001年)、『思想としての日本近代建築』(岩波書店、2005年)、『ル・コルビュジエ 生政治としてのユルバニズム』(青土社、2013年)など。 塚原 史(つかはら ふみ) 1949生まれ。現在、早稲田大学法学部学術院教授。専攻は、表象文化論、ダダ・シユルレアリスム、フランス現代思想・文学。著書に、『ボードリヤールという生きかた』(NTT出版、2005年)、『20世紀思想を読み解く――人間はなぜ非人間的になれるのか』(ちくま学芸文庫、2011年)、『模索する美学――アヴァンギャルド社会思想史』(論創社、2014年)など。 山本理奈(やまもと りな) 1973年生まれ。現在、東京大学大学院情報学環・日本学術振興会特別研究員PD。立教大学社会学部・明治大学文学部兼任講師。専攻は、現代社会論、都市社会学、文化社会学、家族社会学。著書に、『マイホーム神話の生成と臨界――住宅社会学の試み』(岩波書店、2014年、都市住宅学会賞・著作賞)など。 佐藤健二(さとう けんじ) 1957年生まれ。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。専攻は、歴史社会学。社会意識論、社会調査史、メディア文化。著書に、『読書空間の近代――方法としての柳田国男』(弘文堂、1987年)、『歴史社会学の作法――戦後社会科学批判』(岩波書店、2001年)、『社会調査史のリテラシー――方法を読む社会学的想像力』(新曜社、2011年)、『柳田国男の歴史社会学――続・読書空間の近代』(せりか書房、2015年)など。 佐藤俊樹(さとう としき) 1963年生まれ。現在、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻教授。専攻は、比較社会学、日本社会論。著書に、『近代・組織・資本主義――日本と西欧における近代の地平』(ミネルヴア書房、1993年)、『不平等社会日本――さよなら総中流』(中公新書、2000年)、『桜が創った「日本」――ソメイヨシノ 起源への旅』(岩波新書、2005年)、『社会学の方法――その歴史と構造』(ミネルヴァ書房、2011年)など。 高橋順一(たかはし じゅんいち) 1950年生まれ。現在、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専攻は、思想史。著書に、『市民社会の弁証法』(弘文堂、1988年)、『響きと思考のあいだ――リヒャルト・ヴァーグナーと十九世紀近代』(青弓社、1996年)、『ヴァルター・ベンヤミン解読――希望なき時代の希望の根源』(社会評論社、2010年)、『吉本隆明と共同幻想』(社会評論社、2011年)、『吉本隆明と親鸞』(社会評論社、2011年)など。 橋本 努(はしもと つとむ) 1967年生まれ。現在、北海道大学大学院経済学研究科教授。専攻は、経済思想、経済学史、経済社会学。著書に、『自由の論法――ポパー・ミーゼス・ハイエク』(創文社、1994年)、『社会科学の人間学――自由主義のプロジェクト』(勁草書房、1999年)、『帝国の条件――自由を育む秩序の原理』(弘文堂、2007年)、『ロスト近代――資本主義の新たな駆動因』(弘文堂、2012年)など。 野上 元(のがみ げん) 1971年生まれ。現在、筑波大学人文社会系准教授。専攻は、歴史社会学。著書に、『戦争体験の社会学――「兵士」という文体』(弘文堂、2006年)、共編著に、『カルチュラル・ポリティクス1960/1970』(せりか書房、2005年)、『戦争社会学の構想――制度・体験・メディア』(勉誠出版、2013年)、『歴史と向きあう社会学一資料・表象・経験』(ミネルヴァ書房、2015年)など。 若林幹夫(わかばやし みきお) 1962年生まれ。現在、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専攻は、社会学、都市論、メディア論、時間空間論。著書に『漱石のリアル――測量としての文学』(紀伊國屋書店、2002年)、『増補 地図の想像力』(河出文庫、2009年)、『〈時と場〉の変容――「サイバー都市」は存在するか?』(NTT出版、2010年)、『未来の社会学』(河出ブックス、2014年)など。 遠藤知巳(えんどう ともみ) 1965年生まれ。現在、日本女子大学人間社会学部教授。専攻は、近代社会論、言説分析、メディア論、社会理論。編著に、『フラット・カルチャー――現代日本の社会学』(せりか書房、2010年)、共著に、『ミハイル・バフチンの時空』(せりか書房、1997年)、『情報社会の文化〈2〉イメージのなかの社会』(東京大学出版会、1998年)、『言説分析の可能性』(東信堂、2006年)など。 |